代表者:佐藤 瑠美
美しく優しい社会づくりの研究会
コロナ後の人と地域のための社会デザイン
近年の世界経済は低賃金で最大の労働力を得るべく国境を越えて外国で生産をし、また人間の仕事を可能な限り機械に置き換える方法で成長してきました。日本では働き方改革で「同一労働同一賃金」を掲げ、非正規労働者の人々の待遇の是正が一部図られつつも、新型コロナ感染症対策のため企業の経済活動の停止を余儀なくなれた際、労働者を解雇や採用を見送る方法で雇用の調整弁としてきています。雇用者に留まらず多様な地域社会の文化的特性である小規模商業店も廃業に追い込まれていきました。また米国を中心に人種間で経済的社会的な格差が顕著になり長年にわたる未解決な社会の差別の問題が噴出していることも看過できない社会の課題と考えられます。
以上の一例にあるように立場の違いから人々の分断は促進され、複雑な歴史的背景や経済の格差がもたらす人間の命とQOLに関わる課題に取り組む必要性は高まっています。本研究会は〈美しさ〉を社会デザインの思想と展開に重要な概念として位置づけています。それは〈美しさ〉の概念を当研究会の研究対象として問うことを意味しています。その試みの1つとして、自治体独自で「美の基準」を設けている神奈川県真鶴町へフィールドワークを実践します。真鶴町のHPによると、昔から引き継がれてきた港町の生活風景に〈美しさ〉をみとめ、そこに価値をおく考え方に基づきまちづくり条例に「美の基準」が規定されています。数値による規定ではなく「定性的な基準」を設けている点が、これからの社会デザインに有益な示唆を与えると考えられ、フィールドワークの対象として考えています。
このような1つ1つの実践から〈美しさ〉と社会デザインについて関係的な考察をし、人々の安寧と多様な考え方を受け入れあう共生社会の醸成に貢献するべく、市民社会の倫理と実践を提起することが研究会の目的です。共生社会の醸成の倫理と実践が達成されることで、考え方と立場の違いから生じる社会的課題を乗り越え、新しい考え方に基づく地域社会の形成に貢献すると考えています。
研究会は、岩間 初音(当研究会副会長・社会デザイン学会理事)、太田 差惠子(NPO法人パオッコ理事長)、谷澤 春美(スマイル・オリエンテッド株式会社)と佐藤 瑠美の4名で構成しています。各メンバーの実践知と活動を研究会の場に循環させることで、「美しく優しい社会」をコンセプトとする、新しい価値に基づく地域社会の形成のための倫理と実践を追求することで、成熟された社会づくりに貢献したいと思います。 1~2か月に1度、対面またはオンラインでの研究会を開催しています。年に数回、研究テーマに関わる識者および活動家らと講演の場をもち、広く人々に共有される議論の場をもつこと。そして活動の記録や得られた知見を公刊する等の活動をしています。活動内容は全て、佐藤 瑠美のホームページおよびブログに記録しています。(2020年7月までのブログはHPに掲載)ご関心がおありでしたら、是非ともご覧いただきお気軽にご連絡をいただけると幸いです。
佐藤 瑠美HP:http://site-1615963-550-1723.mystrikingly.com/
blog: http://site-1615963-292-2237.mystrikingly.com/