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社会デザイン学会のお知らせ vol.2016-通算7号

その1 社会デザイン学会 第11回年次大会のご案内

(2016年12月10日~11日、会場は立教大学池袋キャンパス)

社会デザイン学会年次大会にようこそ。


ことしの年次大会は、社会デザイン学を志す私たちにとって特別に思い入れのある節目の大会となります。2016年は、ご存じのように、学会設立10周年となるばかりでなく、学会の設立母体である立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科開設の15年目だからです。


すでに昨年と本年の2年間を貫く年間テーマとして、私たちは、「いまあらためて社会デザインを考える」を掲げてきましたが、この間に扱ったテーマを思い出してみると、「危機の中の社会統合~ともに生きる条件とは何か」(2015年春)、「コミュニティデザインの可能性」(2015年秋)、「共同体を支える理念とは何か~倫理、制度、現実の交錯する中で」(2016年春)というものでした。いずれもここ数年の日本の社会状況、世界の政治状況を反映した重いテーマでした。


学会としては、このような重いテーマを扱いながらも、(じゃっかん紋切り型で恐縮ですが)深刻さに押しつぶされることも、また逆に能天気なオプティミズムや、救世主待望に惑わされることなく、多様な立場からの地道な議論の積み重ねに重点を置いてきました。これもすでにみなさんご存じのことだと思いますが、私たちがこれからの時代における社会デザインの必要性と可能性について主張し始めたのは、21世紀の前夜、1999年のこと。その後、社会デザイン理念のアカデミックな実現形態として、2002年に立教大学大学院に「21世紀社会デザイン研究科」の修士課程が、そして2007年に博士後期課程が増設され、これまでに、600名を超える修士修了者(学位「修士 社会デザイン学」)と20名に近い博士学位取得者(学位「博士 社会デザイン学」)を世に送り出してきました。2015年には、跡見学園女子大学に「コミュニティデザイン学科」も誕生しました。


これらと併行して、2006年6月には、全国学会としての「社会デザイン学会」(当初の名称は、21世紀社会デザイン研究学会)を立ち上げ、社会デザインに関わる研究、教育、広報啓発、褒賞(社会デザイン賞)、支援等の活動を展開してきたことは、周知の通りです。この年次大会では、これまで私たちが社会デザインの理念のもとに展開してきた研究、教育、実践の実際と今後の可能性について、総まとめと提案を行うことを考えています。


第1日目の特別セッション「全員討論 話しあう、語りあう、社会デザイン」では、社会デザインと社会デザイン学のこの15年の振り返りと課題の確認、そしてこれからの可能性について、学会員、研究者、研究科修了生・現役生が、顔を合わせ、膝突き合わせて、楽しく話し合い、語り合い、今後の展望を開いていく場にできれば、と願っております。


そして2日目のプログラムでは、演劇パフォーマンスとパネル討論を2つ用意してあります。なぜ、演劇か、といえば、演劇がポリフォニー空間の凝縮型だからです。初日の特別セッションとこの日のパネル討論の場をも含め、複数の声が交錯し、切磋琢磨しながら、多方面に、無数の形態をとって、時に拡散し、時に収斂を繰り返しながら、社会デザインのコンテンツを埋める新しい息吹となって広がっていく、そうしたことを期待させるからです。


大会の2日間を通して、有意義かつ活発な議論の展開されることを祈ってやみません。



                                                      社会デザイン学会 会長 北山 晴一

2016.11.22更新

 

2016-11-16

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